ショーレムが同時代に会ったその他の知識人には、ブロッホ、アドルノ、ホルクハイマー、ハンナ・アーレントなどがいます。アドルノとアーレント(彼らはた
がいに嫌いあっていたのですが)ともうまくつきあうことができました。これは友人としてはひどくつきあいにくいベンヤミンとの、長年の交流から獲得された
性質による、とショーレムは回想します。
ショーレムの会った人々のなかでも、特異な人物がこの自伝に現れます。
「反ブルジュア的な風刺の水際立った才能を、神秘主義の誇大宣伝のしたたかな才能と結合させた有名な作家」、グスタフ・マイリンクです。ショーレムによれば、当時マイリンクの文学的な質を陵駕するのはホルへ・ルイス・ボルヘスだけでした。
「反ブルジュア的な風刺の水際立った才能を、神秘主義の誇大宣伝のしたたかな才能と結合させた有名な作家」、グスタフ・マイリンクです。ショーレムによれば、当時マイリンクの文学的な質を陵駕するのはホルへ・ルイス・ボルヘスだけでした。
ショーレムはあるとき知人から、マイリンクが自分自身の著作の数箇所を説明してもらいたがっていると聞きました。そして1921年
「ある程度好奇心にかられて」、彼に会いに行きます。「作家というものがいかに偽の神秘的印象をちょろまかすことができるか」、、、ショーレムはマイリン
クの印象を、「さながら究極の小ブルジュアといった風貌で、そのぱっとしない外観は彼の書く幻想的な物語とは裏腹であった」と書いています。
マイリンクは突然問いかけます、「神がどこに住まわれているか、ご存知ですか」。その時「人が神を入らせるところ」という有名なラビの言葉で、ショーレムが答えたかは分かりません。
マイリンクはショーレムを穴のあくほど見つめて言いました。「脊髄にです!」。
マイリンクはショーレムを穴のあくほど見つめて言いました。「脊髄にです!」。
グスタフ・マイリンク